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空白の街

すきなもののはなし

『ツキステ。第二幕〜月歌奇譚「夢見草」〜月の章』(10/29)感想

※ネタバレを含みます



中日という不安を抱えつつ、月の章を観劇してきました。
物語の考察とかそういうのは得意な人に任せて好き勝手感想をつづります。

どんな物語になるのかいろいろと考えてたけど、想像していたよりずっと優しくて悲しい物語だった。
和風異世界トリップファンタジーという認識は一応間違ってはいなかったかな、という感じ。



第1幕「夢見草〜月の章〜」
※便宜上、大和国の陽や夜はカタカナで表記しています


軸になるのは勿論「陽と夜」で「命と絆の物語」なんだけど、それ以上に正しさと正しさ、正義と正義のぶつかり合いの部分も個人的にはしんどかった……

朏さんこと坂本龍馬*1だって自分の思う正しさや正義信念で行動してて、シンセン組*2サイドもそれは同じで、あの世界の誰もが人を救うために行動していた。
もうエゴとエゴのぶつかり合いだし、ただただ辛かった。


坂本は元々「大和国*3とは別世界の人間で、元いた世界は滅びてしまった。そこで寂しさを知った坂本はこの大和国の人々に同じ思いをさせたくないと思い、自分の思う正しさに従って行動した。
でもそれは人々のためにはならなかったんだなぁと悲しくなった。
この人にも信頼できる誰かがいればこんな選択をせずに済んだのかもしれない。坂本さん、あまりにも可哀想な人だった…どこかの世界で救われていてほしい。


個人的に刺さったやりとりは、この世界にリダズは存在しないって判明した時の黒年長の会話。

「俺のいない世界でのびのびやってたんじゃないか?」
「そうかも。でも始がいた方がもっとのびのび好きにできる」

的なこと言ってたシーン。
私は黒年長についてはあんまり詳しくないけど、お互いをどう思ってるかが端的に表現されてる感じがしてとにかくエグかった。会話自体もさらっと流れるからよりエグさが増す。

これだけじゃなく、随所に各コンビ毎のシーンが挟まるけど、そこで交わされる会話でお互いに対する想いを垣間見れて、どのコンビにも命と絆の物語があることを感じました。そして死と隣り合わせの世界であることをこれでもかと強調される……

気になったのは、陽はどこまでが陽でどこからが大和国のヨウだったのか。分かりづらくて、終わるまでずっと引っ掛かっていた。これは何度か見れば気づけるのかな〜

殺陣がとにかく多いのだけど、全体的に流れてるっていうのかな〜どうにもいまいち格好よくなかった。隼は優雅に踊るような殺陣をイメージしてたからちょっと物足りなかった。


あと「チャッチャチャチャ」の手拍子を煽るのは別にいいんだけど、何度もやられるのくどくて私はあまり好きじゃない。

前説とお茶屋さんのシーンで2度ほど世界観への言及があって、2回目は自分たちの状況を把握するためにあるんだろうけど、そしたら前説で説明する必要あったのか?とちょっと疑問。


劇中歌のシーン。
年中組は殺陣のシーンで入ったけど、年長や年少は海と隼、涙と郁だけが会話しているシーンに他の二人が加わって歌ってハケていく。なんか勿体ない!もう少しなんか上手く会話に絡ませるとかできなかったのかな〜と思った。せっかく出てきたのに歌うだけって勿体無い

劇中歌についてはいろいろと不満や不安があったけど、聴いたらこの曲たちはこの世界のためにあるんだなと納得できたからよかった。これがまた世界観と心情に寄り添ってて凄い良かった。歌詞じっくり読みたい。

物語のラストシーンの演出はとにかく美しかったなぁと思う。桜の花びらが舞い散り黄金色の光に包まれながら最期を迎えるヨウと看取るヨルの光景は本当に綺麗で幻想的で胸に迫るものがある演出だった。
そしてヨルの最後のセリフで涙が止まらなくなった。

全体的にシリアスな話だけどギャグもあってそのバランスや緩急は良かったと思うし、そこがツキウタ。らしいなと感じました。

現代から来た夜と大和国のヨウ、っていういつもの二人のコンビではないけど、それでも通じるものがあるんだなぁと思ったし、どんな世界でも陽は夜くんの太陽なんだなぁって実感させられた。
冒頭で大和国の2人が現代に生きる2人とそんなに変わらない関係であることが描かれていて、それがじわじわ効いて、二人の表裏一体な関係がとても強調されてたように思う。
「簡単に掌を返すんだな」の件も辛かったですいろいろと。
そうやってヨルの中に存在を残して去っていくヨウはズルいなぁと心底思いました。


あと、限られた時間の中で足掻く姿がアイドルとして輝く姿と重なって見えたのいろいろと重症だなと思った。

芝居についてずっと引っかかっているところがあって、あのシーンで郁は泣いたりするだろうか?と疑問なんだけどこれが解釈違いってやつ?と思ったので円盤見て考えたい



日替わりネタ部分
前説:白年少、新
新の寝言:カレー
お茶屋さん:上手から隼、失恋レッド、葵
早押しボタンに見立てて
「みたらしの原料は?ピンポーン!醤油」
「原材料の知識いらない!」
桜花衆のお面を使って「団子三姉妹」
著作権ギリギリ!」
「ハートがキュンと来てドッコイショ」

白年長のシーン:仮面舞踏会の替歌



第2幕「ダンスライブ」

1.グララブ
2.LOLV
3.アバンタイトル
4.チルフラ
5.レニデ
6.DA☆KAI
7.恋忘れ草
8.君花星
9.イノセンシア
10.STF
11.月星
12.淡い花
13.ハジマリノハル
14.セレスタイト
15.GRAVITY!
16.ONE CHANCE?
17.ツキノウタ。


「行くぞ、SixGravity」「おいで、Procellarum」の呼びかけめちゃくちゃ鳥肌立った。

ツキノウタ。の名前コールするのやるならもっと上手くやってほしい〜〜歌にかぶるの嫌なんですよね…(わがまま)

ツキノウタ。冒頭のアニメだとポップアップで登場するシーンの再現は凄かった。みなさんジャンプの仕方相当研究したのでは…ってくらい再現度高かった。

デュエット曲は年少・年中・年長曲ごとにそれぞれがバッグダンサーをやってて、恋忘れと淡い花ではそれぞれに合わせた羽織物を着て踊ってました。

予算的な都合もあるのは分かるんですけど、羽織がちょっと安っぽく見えるのが残念なんだよな〜と毎度思います(小声)


そしてこの日のライブなんか全体的に淡々としてたというかなんか気味が悪かった。

グララブ始さんの「ah」の後の黄色い声、涙がチルフラの振付をちゃんと踊れた時の反応、どこを切り取っても型通りのリアクション。
それがダメってわけじゃなくて、個人的に怖かったというだけなんですけど語彙力と表現力がなくて伝わらない
キンブレの色送りするカチカチ音だけが聞こえたときは本当になんか怖かった……

夢見草のストーリーに感情を引っ張られてるからとかそういうの理由にならないくらい、役者も観客も与えられた役割をこなしている感にゾッとした(んだけど私が空気に馴染めなかっただけかもしれない)

えーーーなんだろうあれは…慣れ…?

演じられてるライブにしても初演だってもっと温度があったはずなんだけど、とにかく淡々と作業してる感じがした。
いつ観ても同じ内容で同じ反応しかないような気味悪さがあった。

これMCもなく進むのが原因なのかなぁとも思ったけど、多分違う。
一般的なライブの一回性と演じられるライブ性質の違いなのかなぁ…分からないや……
まぁMCがないのにも理由はいろいろあるんだろうなとは思うけど、ライブパート自体にはもう少しなんか遊びがほしいなと思いました。
でもそれだとキャストの負担も増えるし難しいとこだよな〜

初演よりもレベルアップした分、何かが失われたような気がしました…
でも中日だったからかもしれない…



いざ書いてみるとどうにも厳しいことばっかりになってしまうけど、公演自体は満足してるし楽しかったです!

そして第三幕の上演も決まりましたが、その前にルナティックライブ!
果たしてパシフィコは埋まるのか……

不安はありますが、一先ず出演者、スタッフの皆さまお疲れ様でした。



*1:朏ユズルによく似た別人。史実の坂本とも違う

*2:この世界の自警団組織

*3:パラレルワールド。年中が出演する舞台「夢見草」によく似た世界。現代日本の史実とは大きく異なる